专利摘要:
従来の撮像技術の欠点を改善する。撮像対象の対象領域の近接撮像方法は、近接源装置から対象領域へ近接電磁エネルギーの入力を出射するステップと、近接電磁エネルギー入力に応じて対象領域において生じる機械的波動応答を検知するステップと、機械的波動応答に基づいて対象領域の画像を表示する画像データを生成するステップとを備える。さらに、対象領域を近接撮像する装置を記述する。本発明は、対象を安全なエネルギーである電磁源によって近接暴露することに基づく。画像形成の物理的基礎は、調査の対象への無線周波数(RF)エネルギー吸収を利用する熱音響現象である。次に、吸収された電磁エネルギーは音響応答を生じさせ、それが検知されて、強調する組織吸収特性の立体的可視化を行う(撮像する)のに用いることができる。
公开号:JP2011512180A
申请号:JP2010546271
申请日:2009-02-18
公开日:2011-04-21
发明作者:ラツァンスキー,ダニエル;ンツィアクリストス,ヴァシリス
申请人:ヘルムホルツ・ツェントルム・ミュンヒェン・ドイチェス・フォルシュンクスツェントルム・フューア・ゲズントハイト・ウント・ウムベルト(ゲーエムベーハー)Helmholtz Zentrum Muenchen Deutsches Forschungszentrum fuer Gesundheit und Umwelt (GmbH);
IPC主号:A61B8-12
专利说明:

[0001] 本発明は、近接電磁波を用いた対象領域(region of interest;ROI、関心領域等とも言う。)の近接撮像方法及び装置に関する。この方法及び装置は、近接無線周波断層撮影法(Near-field Radio-frequency Tomography:NRT)と呼ばれ、例えば生体組織のような生物学的対象物の解剖学的、機能的、分子的な特徴、又は非生物学的対象物の断層画像を生成できる。]
背景技術

[0002] 医療用撮像は、非侵襲に組織病状を評価するために1世紀以上費やしている。多くの疾病の進行は、広いエネルギースペクトルに対してコントラストのある、周囲環境における配座的変化、生理的変化、分子的変化と関連している。医療用撮像は当初より、構造を対象としており、医療用撮像では従来、X線撮像法及びコンピュータ断層撮影法(CT)、核磁気共鳴映像法(MRI)及び超音波検査法によって、疾病を識別するための構造的な組織形成異常を調査している。しかしながら、関心はその後、構造的なサインを補完するもの、又は構造的なサインに代わるものとして撮像生理学へと向けられた。血管新生、組織浸透性、血流及び他の機能的なパラメータを対象とすることにより、疾病機能についての情報が明らかになり、利用可能な診断情報が向上した。より最近では、分子レベルで無傷な組織において病因を撮像する強い関心が現れている。細胞や細胞以下の大きさの機能の撮像は、臨床前の撮像及び薬剤の発見においてますます重要な技術となっており、加えて大規模な臨床的普及の大きな可能性を秘めている。]
[0003] 医学撮像技術には、それぞれ異なる特徴及び応用範囲を有する多くの技術がある。大まかには、X線コンピュータ断層撮影法(XCT)、ポジトロン断層撮影法(PET)及び単光子断層撮影法(SPECT)等の電離(高エネルギー)放射の使用と、核磁気共鳴断層撮影法(MRI)、光学撮像断層撮影法及び超音波(US)等、非電離放射を利用する方法に基づいて分類できる。]
[0004] また既存の撮像方法を、全身の臨床的撮像に適した分子レベルの感度の撮像方法に変える努力が幾つかなされている。例えば分子プローブは、PET法やSPECT法に対して開発されており、独立型として、又はCT法とのハイブリッド機器において実現されている。これらの方法の主な欠点は、これらの方法で使用される電離放射や、サイクロトロン設備や先進放射化学(advanced radio-chemistry)の専門知識を要することや、使用されるプローブの放射減衰(radio decay)を伴うことである。これは、作用剤の保管や長期的な観察研究に不適となる。一方で、分子の一部分を検知できるプローブを用いた分子検知MRIの開発においても、同様に大きな進歩が見られる。ただ一般には、MRIプローブを要するものは高感度での検出ができないため、このアプローチの応用範囲は狭い。]
[0005] また熱音響撮像(TAI)及び光音響撮像(PAI)等、より新しい撮像技術も「非電離」撮像技術に含まれる。その一般的な形態である熱音響撮像は、1881年にA.G.ベルによって発見された熱音響現象に基づいており、特に短いパルスの電磁エネルギーの吸収後の組織の瞬間的拡張による広帯域の音響放射の生成に基づく。誘導された音響波の大きさは、物質の局所的なエネルギー吸収及び熱弾性特性に比例する。音響波周波数は、光吸収変化の空間周波数及びパルスの継続時間(パルス幅)に、主に依存する。また、いわゆる熱音響断層撮影法(TAT)は、無線周波(radio-frequency)及びマイクロ波放射スペクトルと往々にして関係がある。一方、可視帯域又は近赤外線帯域におけるパルスレーザーを用いて対象が照射される場合は、常に光音響断層撮影法(PAT)が一般に用いられる。]
[0006] A.ローゼンクワイグ(Rosencwaig)(特許文献1:US4255971)は、電磁エネルギー放射を用いて動作する、熱音響現象に基づく撮像の応用について初めて述べた一人である。これに続く幾つかの熱音響撮像機器は、400MHzから3GHzの範囲にあるマイクロ波放射の短い狭帯域パルスを用いることによるファーフィールド放射(far-field radiation)を主に利用している。例えば、特許文献2(US6567688)は、3GHzのマイクロ波放射のμ秒以下のパルスを組織へ送出する熱音響CTスキャナーを開示している。これによれば、マイクロ波放射を、マイクロ波発振器と導波管との組み合わせを用いて照射できる。撮像されたサンプルは、誘導された熱音響応答を検知する超音波変換器の前で変換される。そして撮像された対象の周囲の複数の位置で検知された信号が、組織吸収の画像を形成するよう組み合わせられる。サンプルは、導波管を用いて照射されたマイクロ波放射のニアフィールド領域(near-field)に部分的に暴露される。ただ、特許文献3(US6567688)は検知された信号をフィルタリングすることによってあらゆる近接吸収の影響を抑制することを明示的に教示している。このニアフィールド領域の影響の排斥は、ニアフィールド領域の不均一構造によって生じる画像歪みを回避することを意図している。このように、ニアフィールド領域におけるサンプルのある部分の位置は、従来の方法では撮像されない不要な効果と見なされている。]
[0007] 一方で、434MHzの搬送周波数のパルスを用いること以外は、先の熱音響現象を利用する他のアプローチが、特許文献4(US6216025)にて提案されている。また、画像は、回転可能な撮像ボウル上に配置された複数の音響変換器によって得られる。]
[0008] PATとTATの両方は、他の純粋に電磁的/光学的な方法又は純粋に超音波的な方法とは異なり、高いコントラスト及び高い空間分解能の両方を併せ持ち、動物や人間の組織を撮像できる可能性を備えることが最近示された。特にTATは、深い組織の高コントラスト撮像において大きな可能性を示しており、純粋に電磁的/光学的な方法又は純粋に超音波的な方法の限界を克服できる。RF及びマイクロ波のスペクトルは、例えば脂肪組織と筋組織との間の熱音響応答の違いが1桁であるような生体サンプルにおける良好なコントラストを提示する。他の例は、通常の周囲の乳房と比べて2倍以上吸収することがわかっている乳癌組織である。スペクトルのRF及びマイクロ波の部分における電磁エネルギーは人体によく浸透するので、熱音響撮像は全身の臨床的応用に適している。]
[0009] TATには幾つかの有望な特徴を備えるにもかかわらず、幾つかの短所もあるためTATは主流な撮像アプローチとなっていない。第一に、ファーフィールド領域(far-field)における動作は、放射されたエネルギーの反射のために著しく低下する。エネルギーの有効部分が対象へ行く途中で失われるので、熱音響信号生成が非能率的になり、その結果、実用的で安全なパワーレベルにおいては信号対ノイズ比が著しく損なわれる。第二に、既存の熱音響断層撮影方法は、狭帯域マイクロ波放射、つまりファーフィールド領域における電磁エネルギー吸収を用いることによって、対象を照射している。熱音響断層撮影法における重要な面の一つは、電磁パルスの継続時間である。電磁パルスの継続時間は、この方法の空間分解能を上げるためにできる限り短くなければならない。逆に、高い空間分解能を得ようとパルス持続時間を著しく低減すると、熱音響信号レベルが小さくなり、又は検知できなくなる。一般的に、マイクロ波帯における搬送周波数で、良好な信号対ノイズ比(SNR)及び100μmのオーダーの空間分解能を得るには、数メガワットのピークパワーが必要である。その結果、専用の非常に高価なパルス生成・増幅設備が必要となる。また使用される計測装置に関し、安全性の問題が生じる場合もある。このような理由から、パルスをより長くでき、かつピークパワーを数十kWのオーダーとすることで、数mm程度の空間分解能に要求を緩和するほうがより現実的である。概して、既存の方法で通常得られる低いSNRでは、フィールドにおける実用的な実施の妨げとなる。]
[0010] 撮像方法の浸透スペクトルの異なる目的のために、近接撮像は、通常、回折限界の分解能を越えることができる、波長以下の顕微鏡観察の種々の方法をいう。その技術の一つは、波を、用いられる放射の波長より小さい孔を押し通す概念に基づく。この概念は走査型トンネル顕微鏡観察(例えば特許文献5:US4343993)を用いて、又は走査近接光顕微鏡観察(scanning near-field optical microscopy:SNOM)(特許文献6:EP459392A2)を用いて応用されている。少し異なるアプローチでは、貴金属ナノ薄膜において減衰された全反射又は表面プラズモン共鳴相互作用を利用して、用いられる波長の100分の1もの小さい構造の二次元画像を検知する又は形成する。例えば、特許文献7(US7005653)は、細胞内において波長より小さいナノ粒子を用いて断層撮影射影を生成する近接細胞内無孔断層撮影方法及び装置を開示している。検知器は、ナノ粒子と周囲の分子とのエバネッセントフィールド相互作用から無線周波を詳細に検知し収集し、細胞の立体的な近接像を生成する。光ニアフィールド領域を利用するさらなる撮像方法が、血液における光吸収物質をエバネッセント光によって励起し、光音響効果を用いて検知するカテーテル・システムを用いて実施されている(特許文献8:特開2007−307007号公報)。]
[0011] このように、光学技術は分子レベルの検知用と考えられるが、一般に組織において浸透深さが小さいという問題があり、組織を深く撮像する場合には分解能が限定される。その結果、臨床的応用を組織表面撮像や侵襲性の用途又は内視鏡を用いる用途に限定される場合がある。近接撮像を、光学スペクトルに絞り込むにはほど遠い。実際、電磁スペクトルのマイクロ波領域において動作する波長より小さい孔の走査型顕微鏡の最初のものは、ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンのL.A.アッシュとG.ニコルスによって実証された(非特許文献1:アッシュ,E.A.らの「超高分解能有孔走査型顕微鏡」ネイチャー237号、510〜512頁、1972年6月)。波長3cmのマイクロ波を利用し、1.5mmのプローブ形成孔を通過させることによって、プローブが周期的な線の特徴を有する金属格子にわたって走査された。格子における0.5mmの線及び0.5mmの隙間共に容易に分析でき、撮像波長の周期のおよそ60分の1(0.017)という、波長以下の分解能が実証された。同じ原理が、非電磁気的特性のフィールドを用いる近接撮像に適用される。例えば、走査型音響顕微鏡において、音響波は、種々の相互作用機構を通じてちょうど表面の近傍(ニアフィールド領域)における小さな領域において生じる。この音響波を検知することによって、用いる波長によって回折制限されず、高分解能で材料の音響効果を得ることができる。]
[0012] 上記の近接撮像方法はすべて、表面に限定した微視的な研究を主に意図している。これに対し立体的に大規模に可視化した巨視的な断層撮影方法は、通常、ニアフィールド領域において機能しない。その例外の一は核磁気共鳴撮像法である。このアプローチも近接撮像方法と見なすことができる。それは強調する撮像原理が、強磁界を利用する弱い組織磁化に基づいた画像形成のため、他の近接検知方法のものと基本的には異なるが、調査される対象がRFコイルのニアフィールド領域に配置されるからである。また、蛍光分子断層撮影法(Fluorescence-mediated Molecular Tomography (FMT))を含む拡散光断層撮影(Diffuse Optical Tomography)方法も、近接断層撮影方法と見なすことができる。それは、用いる拡散波周波数の波長以下の領域で撮像し、強度変調レーザ源のニアフィールド領域、又はp秒、さらにはp秒以下の範囲における短い光子パルスで生成される同等な領域に対象を配置するからである。]
[0013] 米国特許第4255971号明細書
米国特許第6567688号明細書
米国特許第6567688号明細書
米国特許第6216025号明細書
米国特許第4343993号明細書
欧州特許出願公開第459392号明細書
米国特許第7005653号明細書
特開2007−307007号公報]
先行技術

[0014] アッシュ,E.A.ら「超高分解能有孔走査型顕微鏡」ネイチャー237号、510〜512頁、1972年6月(Ash, E. A., et al., "Super-Resolution Aperture Scanning Microscope", Nature, 237, pp. 510-512, June 1972)]
発明が解決しようとする課題

[0015] 本発明の目的は、確立されている撮像技術の欠点を基本的に改善する新しい技術と方法を提供し、組織又は他の撮像する対象の撮像方法としての広い実用性を見出せる撮像アプローチを提示することにある。]
[0016] この目的は、近接無線周波断層撮影法(NRT)、特に独立請求項の特徴を備える撮像方法及び撮像装置によって達成される。発明の有用な態様は従属請求項に定義される。]
課題を解決するための手段及び発明の効果

[0017] 本発明の第一の側面によれば、概略的には、対象における関心領域(ROI)の近接撮像方法を提供するものである。ROIは無線周波範囲の近接電磁エネルギーの入力を受け、機械的波動応答がROIにおける近接電磁エネルギー入力に応じて検知され、その検知された機械的波動応答を表示する信号がROIの画像を表示する画像データに変換される。本発明は、安全なエネルギーの電磁源を対象又は組織に近接照射することに基づいており、組織エレメントからの近接エネルギー吸収によって生じた圧力波の読み取り値として生成された検知データの数学的処理に基づいて画像を形成できる。従来技術とは異なり、ROIはニアフィールド領域に配置されるサンプル領域である。本発明では、ニアフィールド領域に配置されたROIが撮像される。本発明者らは、ニアフィールド領域の利用はその不均一構造によって制限されるのでなく、むしろ特に撮像装置の構造の簡単化及びエネルギー伝達結合効率の改善の観点から、複数の利点と関連していることを見出した。]
[0018] 近接無線周波断層撮影法(NRT)の物理的基礎は、ニアフィールド領域、すなわち非放射領域において動作する技術を利用するため、エネルギーを対象領域に効率的に結合できる能力にある。NRTの実用的機器では、非常に好適かつ実用的な特性を有する、極めて短い電磁パルスを生成する適正技術を利用する。これらのパルス特性により、構造的、機能的又は分子的に高いコントラストを生み出す、組織及び作用剤と結合する最適なエネルギーの周波数での動作が可能となる。ニアフィールド領域におけるこれらのパルスの動作は、空気を通じてさえも(つまりエネルギー伝達媒体としての水がなくても)、組織への結合を改善し、安全で、実用的で、持ち運び可能でかつコスト効率が高い機器を用いて、研究分野、臨床分野その他の調査分野での普及を図ることができる。NRTは、従来の熱音響撮像方法又は光音響撮像方法と比較して、熱音響現象を十分に、より巧妙に利用し、十分に高いSNR及び分解能の方法を提供できる。次に、吸収された電磁エネルギーで音響応答を生じさせ、これを検知して、強調する組織吸収特性を立体的に可視化する(撮像する)ために利用できる。近接RFエネルギーは、人体等の組織に容易に浸透できるので、本方法は臨床的撮像用途にも適している。さらに、ここで想定している特定の技術では、撮像設定や目標解像度を効率的に選択できるので、人間の撮像ばかりでなく動物の撮像にも適合できる。]
[0019] 本発明の第二の側面によれば、上記第一の側面に係る近接撮像方法を行なうよう特に構成された撮像装置が提供される。撮像装置は、ROIに入力される近接電磁エネルギーを生成し出射する近接源装置と、ROIにおける機械的波動応答を検知するよう配置された検知装置と、機械的波動応答信号をROIの画像を表示する画像データに変換する画像処理装置と、を備える。近接源装置は、概して、無線周波電磁エネルギーを生成し、周囲の媒体すなわち含まれている媒体に出射するよう構成された少なくとも一つの出射エレメントを備える。好ましくは、近接源装置は、少なくとも一のアンテナエレメント、少なくとも一の整相列、少なくとも一の空洞共振器及び/又は少なくとも一の導波管を有する。]
[0020] 他の近接技術と比較して、多くの潜在的な生物学的・医学的用途では、本発明のNRTは組織内における深い浸透を可能にし、この技術を動物及び人間撮像に適したものとするが、その上、この方法を生物医学分野以外でも、特に例えばワークピース、消費財又は地質構造において電磁・音響波が伝播できるすべての媒体においても、用いることができる。]
[0021] MRIと比較しても、想定される近接方法では、本発明のNRTは、同等又はより高分解能でかつ優れた感度の、十分に簡素化されコスト効率の高い技術を提供する。蛍光分子断層撮影法を含む拡散光学断層撮影方法と比較して、本発明の近接方法は、達成可能な分解能及び全体的浸透深さを十分に改善する。重要なことには、本発明を、臨床スキャナ機器、非侵襲性持ち運び機器、又は内視鏡装置、腹腔鏡装置あるいは他の組織撮像侵襲性装置として用いることができる。]
[0022] 本発明は、撮像される対象を電磁源の直近(ニアフィールド領域)に配置することによって、組織撮像のための熱音響現象の実用性を大きく改善し、これによってエネルギーの対象への結合を改善し、したがって、SNR有効性を向上し検知感度性能を改善する。熱音響現象を利用する熱音響断層撮影法と比較して、NRTは、実用的で、非常に効率的に応用することに対する制限の多くを克服している。有用には、従来技術で生じるファーフィールド領域の反射を完全に回避する。従来技術と違ってインピーダンス不一致を無視できるので、近接電磁エネルギーを60%以上効率を高めて対象へ連結することができる。]
[0023] 外部エネルギー吸収作用剤又はプローブの使用が特に重要であり、コントラストを改善する、あるいは特定の機能過程、細胞過程、細胞より小さい過程又は分子過程をはっきりと区別するために、外部エネルギー吸収作用剤又はプローブを撮像された対象領域に配置することができる。これらの作用剤は、コントラスト作用剤、又はターゲットとするキャパシティ、選択的蓄積あるいはバイオディストリビューションキャパシティを有する、又はバイオマーカーあるいは関心のある組織部分の有無に応じてコントラストを与える能力を調整する調整されたコントラスト作用剤とすることができる。これらの作用剤は、局所的に又は全体的に投与できる。]
[0024] 他の医療方法と比較して、NRTは基本的に種々のエネルギー及び画像形成方法を利用すると共に、他に劣らぬ非常に優れた特徴を提供している。例えば超音波と比較して、同じレベルの空間分解能であるが、十分に高い感度、コントラスト、ナノ粒子の使用を通じて分子活動の分解能をもたらす。感度は改善される。超音波では一方向に対象を通じてのみ進行するからである。そのため、従来の超音波撮像と比較して、減衰する振幅が低減される。核撮像方法と比較して、本技術は十分に高い解像度で電離放射なしに動作する。]
[0025] サンプルの励起に用いられた同じタイプのエネルギー及びスペクトルを測定する近接撮像の以前の機器と違って、本発明の撮像方法及び装置は、近接電磁波を源として利用し、これに対応する機械的波動を検知するのに利用する。したがって、本撮像方法は、近接二重波撮像である。本発明のシステムの電磁部分はニアフィールド領域において動作し、機械的波動/音響場は限定するものではないが好ましくはファーフィールド領域へと動作できる。ここでは簡単化のため、本方法を、ここに教示する発明のすべての側面を包含する名称として、近接無線周波断層撮影法(NRT)と呼ぶ。この用語「NRT」は、「無線周波」を超える周波数又は波長が用いられる場合も含む意味で使用される。]
[0026] 特に定義しない限り、ここで用いるすべての技術用語は、本発明に属する技術者が通常理解するのと同じ意味である。ここで記述するものと同様又は等価である方法及び材料を、本発明の実用あるいは試験において用いることができるが、以下では適当な方法及び材料を詳述する。疑義がある場合は、定義を含む本特許明細書により照査できよう。さらに開示する材料、方法及び実施例は単なる例示であって、限定するものでない。]
[0027] 本発明の好ましい態様では、近接電磁エネルギーはパルス状の無線周波信号として生成される。有用なことに、パルス状の信号は、エネルギー入力の継続時間の調整を可能にし、したがって空間分解能の調整を可能にする。本発明の好ましい態様において、局所的な生体組織あるいは動物の撮像に適用される場合、存続時間が少なくとも10p秒、好ましくは少なくとも100p秒、特に少なくとも500p秒、例えば少なくとも1n秒電磁インパルスから構成される無線周波信号が生成される。さらに、電磁インパルスの継続時間は好ましくは10μ秒未満、特に1μ秒未満(例えば0.1μ秒未満あるいは50n秒未満である。]
[0028] 利点として、電磁インパルスは、100μmもの空間分解能を、あるいは30μmにさえ届く空間分解能を、あるいは用いられるパルスや撮像深さによっては10μm以下もの空間分解能を提供することができる。さらなる利点として、電磁インパルスは、3MHzから3GHzの周波数帯における高周波(HF)、超短波(VHF)あるいは極超短波(UHF)成分特に30MHzから300MHzのVHF成分を有する広帯域信号として与えることができる。広帯域インパルスの帯域幅は、そのインパルス継続時間と直接関係がある。ROIの広帯域の励起は、ROIにおける媒体の延長範囲との熱音響コントラストを生成する点では特に利点を有する。第二に、VHF帯における周波数成分は、数十cmの深さで生体組織に浸透することができ、したがって、例えば奥まった動物の臓器及び人間の臓器や、構造、機能あるいは細胞や分子のイベントの、高分解能でコントラストのある近接吸収画像を生成できる。さらに、持続時間の短いインパルスは、従来の技術と比較して、基本的に単純化され低コストな構造を有する発生装置によって生成することができる。例として、またここで教示するように、近接源装置と連結されたトリガースパークギャップ(triggered spark gap)を、発生装置として用いることができる。最後に、VHF帯の利用は、整合流体あるいは他の媒体を用いることなく対象の非接触撮像する可能性を広げる。これは、ほとんどの放射パワーが表面から反射されるマイクロ波に比べて、VHFでは電磁放射を空気媒体内にある吸収対象に結合することが、はるかに容易であるという事実による。]
[0029] 代替的なNRT態様では、パルス状の無線周波信号は、1n秒〜10μ秒の範囲の継続時間のバースト信号(パルス)から構成される。この場合、約1〜2mmの、又は100μmにも達する空間分解能が、従来の技術と比較してエネルギーを基本的に低減しつつも、達成することができる。]
[0030] 好ましくは、パルス変調無線周波信号の少なくとも一の信号パラメータを、ROIへの入力の前に調整できる。特に、信号パラメータは、無線周波信号の振幅変調、周波数変調、位相変調及びデジタル変調の少なくとも一を備えることができる。有用なことに、信号パラメータの変調により、撮像条件、特に、信号対ノイズ比、浸透深さ、空間分解能及び画像コントラストに関する調整を容易にできる。]
[0031] 他の代替的なNRT態様では、近接エネルギーを、変調強度源を用いて対象領域へ導入する。この場合、近接吸収に関する空間的情報を、無線周波信号の振幅変調、周波数変調、位相変調及びデジタル変調の少なくとも一を行い、変調された機械的応答を検知することによって、抽出できる。]
[0032] 電磁エネルギー源の上記パルス持続時間及び他の周波数パラメータは、単なる例示である。電磁エネルギー源のパルス持続時間及び他の周波数パラメータは、撮像される対象あるいは対象領域の実際の大きさ、撮像装置及びアンテナのタイプ、並びに結合媒質に応じて調整される。VHF周波数帯励起は、小動物及び部分的な人体撮像に概ね適しているが、人間及びより大きな動物の全身撮像には、より浸透し均一に励起できるより低周波の成分が必要となる。言いかえると、励起エネルギーの好ましい周波数成分は、撮像される対象あるいは領域の大きさに反比例する。]
[0033] さらに有用なNRT態様では、近接源装置及びROIを含む調査対象の環境が、電磁エネルギーによって生じるファーフィールド放射から遮蔽される。好ましくは、遮蔽装置が、ファーフィールド放射がその環境に出射されるのを防止するために用いられる。特に有用には、例えば周囲の計測器あるいは制御装置における不要な干渉を回避する。遮蔽装置が例えば反射面あるいは空洞共振器を備える場合、遮蔽装置及び撮像装置をコンパクトな構造とできる。]
[0034] なお、一般に「近接(ニアフィールド)又は近接領域のフィールドあるいは近接ゾーン」とは、電気力学と電気通信技術において通常用いられる意味で使用する。ある定義によれば、ニアフィールド領域は、出射された電磁エネルギーの角度的フィールド分布(angular field distribution)が、近接源装置からの距離に依存する近接源装置の近隣領域における電磁場を指す。典型的には、近接源装置の波長より小さい、あるいは極小さい数に相当する分の波長の範囲内にある放射場の部分である。また、ニアフィールド領域を、電磁ベクトルが互いに垂直(直交)でない電磁源の非放射領域と定義してもよい。これは、放射タイプの場が生じるフラウンホーファー領域とは対照的である。ニアフィールド領域は、疑静的ニアフィールド領域と呼ばれるリアクティブニアフィールド領域(reactive near field)と、フレネルゾーン又はフレネル領域における電磁場と呼ばれる放射ニアフィールド領域(radiating near-field)とで構成することもできる。本発明の好ましい態様によれば、近接源装置の、例えばその一以上のアンテナエレメントのニアフィールド領域が、そこから2D2/λよりも小さい距離で延びている。ここでλはニアフィールド領域において吸収される電磁エネルギーの波長であり、Dは近接源装置の、特にアンテナエレメントの全体寸法(最大寸法)である。]
[0035] ただ、特定の装置のどの部分が電磁エネルギーの源を備えるかを判断するのが難しいため、多くの用途においては、近接源装置の全体寸法(最大寸法)を定義することは困難であることが理解できよう。また、電磁エネルギーを周囲の媒体に効率的に出射するには、源装置(アンテナ)は通常、その源装置が出射する波長λのオーダーかあるいは波長λより少し小さい寸法Dで形成される。したがって、定義を単純化するために、本発明の特に好ましい態様では、近接源装置のニアフィールド領域を、その装置からλより小さい距離と想定する。λはニアフィールド領域において吸収されるエネルギーの波長である。整合媒体が源装置を取り囲んでいる場合には、その波長をこの特定の媒体の実効屈折率によって規格化(normalized)する必要がある。この定義により、対象が、出射エレメントの近傍に、源エレメントのニアフィールド領域、すなわち非放射領域に配置される。例えば、対象の周波数が100MHzの波に関しては、空気においてはニアフィールド領域は3m未満の距離にあり、水では33cm未満である。]
[0036] 語「機械的波動応答」は、概して、調査される対象特にROIにおける電磁エネルギーの吸収に応じた機械的波動の生成をいう。機械的波動は、音響波、圧力波、剪断波、衝撃波、熱波、又は特に整相列源エレメントを用いる場合機械的波動の干渉によって生じる干渉応答を含む他の音響的あるいは機械的な外乱から構成される。有用には、対応する音響応答、音圧応答、剪断応答、衝撃応答あるいは熱波応答を、機械的振動を検知するよう構成された入手可能な検知器によって、特に音響検知器、光学検知器及び干渉法検知器の少なくとも一によって、検知できる。好ましい態様として、音響検知器は、少なくとも一つあるいは幾つかの圧電検知エレメント(例えばPZT、PVDFベースの)あるいは容量性マイクロマシン超音波変換器(CMUT)を備える。光学検知器及び/又は干渉法検知器により、機械的波動によって生じた対象表面の振動を検知できる。]
[0037] 特に好ましいNRT態様では、局所的なコントラストを強調することによって、かつ/又はROI例えば生きている組織における追加的な機能的情報あるいは分子の情報を提供することによって、画像データにおける情報の意味を強化するために、少なくとも一つの近接吸収物質を用いる。近接吸収物質は、RF周波数において電磁放射の局所的吸収を向上する外因的作用剤あるいはプローブから構成される。]
[0038] これらの作用剤は、無線周波数スペクトルにおいて選択的吸収を行う強磁性あるいは超常磁性を有することができる。超常磁性物質は、低MHz周波数範囲において強磁性共振を呈し、したがって、超常磁性ナノ粒子によるパワー吸収は、現在の熱音響方法において利用されるマイクロ波領域と比較して、VHF帯において著しく高くなる。ナノ粒子が熱的剥離(高体温(hyperthermic))治療の有効性を改善するのに既に成功裡に用いられていることは注目に値する。現在のMRI研究においてもまた適用されている商業的に入手可能なあるいは既存の幾つかの作用剤例は、単結晶酸化鉄ナノ粒子(Combidex(登録商標)あるいはMIONとしても知られている)、架橋酸化鉄ナノ粒子(CLIO)あるいはガドリニウムベースの作用剤である。例えば米国特許4770183号に記載が見られる。あるいは、種々の種類の化合物を近接吸収物質として用いることができる(例えば米国特許第6662040号に記載のセラミックス)。さらに、無線周波数帯において効率的な吸収体となる、導電性、半導電性あるいは磁気損失特性を有する他の多くの材料を、代わりに用いることができる。したがって、他の無線周波吸収物質を開発し、あるいはここに教示する方法を用いて利用してもよい。これらの作用剤は、また、単一分子、分子凝集体、他の粒子、ミセル(micelles)あるいはローデッド・セル(loaded cells)等の封止物(enclosures)、及び他の作用剤あるいは作用剤送達ビヒクルの態様とできる。こうした粒子をまた抗体あるいはペプチドと結合することができ、組織内の特定のサイトへの結合を可能にし、したがって、細胞あるいは細胞以下の部分を本提案の近接撮像方法の特定のターゲットとすることができる。最後に、送達されたパワーを高めることによって、ナノ粒子結合サイトの選択的な剥離も同じく可能になる。結果として得られるシステムは、生体組織の高解像度の非侵襲性断層撮影法、分子機能及び遺伝子発現インビボ(gene expression in-vivo)の深さ誘導撮像(in-depth targeted imaging)、血流特徴描写、治療及び炎症観察、誘導高体温治療(targeted hyperthermic treatments)及び他のバイオ医学的用途に用いることができる。]
[0039] 好ましくは、NRT技術によって得た画像データを、ROIの画像を再構成するようさらに処理する。有用には、画像を、ROIの一次元特性、二次元特性あるいは三次元特性を描写するあらゆるROI表現から構成できる。画像のタイプを、本発明の特定の用途に応じて選択できる。本発明のシステムは、より高次元あるいは複素パラメータ空間の画像、例えば時間及び/又は対象の他の物理的あるいは化学的条件に応じて撮られる連続画像をも生成できる。典型的に、ROIの再構成画像は表示されるのであるが、通常の表示技術を用いることができ(例えば、スクリーンに表示する、印刷する等)、かつ/又はさらなる画像処理を施すことができる。本発明の生物学的あるいは医学的用途では、再構成画像を後の診断あるいは観察ステップに用いることができる。さらに、ハイブリッド画像を、一つの画像に構造的かつ機能的パラメータあるいは分子のパラメータ等複数のパラメータを表示することによって、又は近接断層撮影画像を他の方法から得られるデータあるいは画像と組み合わせることによって、生成してもよい。]
[0040] 本発明のさらに好ましい態様では、対象、近接源装置及び/又は検知装置の位置が、他のコンポーネントの少なくとも一に対して変更される場合には、エネルギー入力ステップと検出ステップを有利に最適化できる。特に、位置調整を、最初の第1データ収集の前にあるいはデータ収集の際に行うことができる。有用には、撮像品質を改善するようすべての幾何学的な自由度を用いることができるように、上記のコンポーネントに回転と並進移動の少なくとも一を行うことができる。]
[0041] 本発明のさらなる態様は、整合流体あるいはゲル等整合媒体の使用と関連する。整合媒体を、近接源装置例えばアンテナエレメントとROIとの間に配置できる。これにより、電磁エネルギーの結合効率が改善される。さらに、整合媒体を、機械的波動応答の検出を改善するよう同時に使用できる。あるいは、近接電磁エネルギーを整合媒体なしに供給できる。電磁エネルギーは、近接源装置から多くの場合気相(大気環境)を介してROIを有する対象へ出射される。この場合、対象の外乱低減及び撮像特に医学的撮像の容易化から見て、利点が得られる。これに対応して、整合媒体の使用を通じて、あるいは検知器を撮像される対象上に配置することによって、あるいは検出器を対象へ侵襲的に導入することによって、あるいは非接触アプローチによって、機械的波動を検知できる。]
[0042] 本発明の他の基本的な利点は、調査する対象に関して制限はないという事実がある。対象は、特に生体組織あるいはその一部分等、生体材料を備えることができる。撮像をインビボあるいはインビトロで行なうことができる。生体材料は動物あるいは人間から得る、あるいは植物から得ることができる。あるいは、対象は非生体材料を備えることもできる。例として、ワークピース、消費剤あるいは食べ物/飲料、又は土壌等の地質構造を各材料のある部分あるいは状態を検知するよう調査できる。典型的には、対象の大きさあるいは対象の表面からのROIの距離は、ある一定のcmの範囲例えば5cmから50cmの範囲において選択的に変化できる。ただ、本撮像方法は基本的に限定されず、出射するパルスの継続時間及び検知器特性を変更することによって、大きさ及び撮像深さの両方を1mm未満から数m以上のオーダーで調整できる。]
[0043] 本発明の生物学的あるいは医学的用途には、好ましくは、生体組織における炎症過程、生体組織における腫瘍あるいは癌、生体組織における血管異常あるいは疾病、神経的疾病、及び/又は生体組織の治療の観察等、動物あるいは人間における疾病あるいは異常状態の撮像あるいは検診(screening)が含まれる。同様に、本方法を、生理学、神経機能、細胞及び組織の成長、発生、老化の研究の場合等、正常な組織を研究するために用いることもできる。]
[0044] 本発明のさらなる詳細及び利点は添付の図面を参照して以下に説明する。各図面は、以下の通りである。]
図面の簡単な説明

[0045] 本発明の撮像装置の実施形態を示す概略図である。
本発明の撮像技術に用いられる発生装置を示す回路図である。
生物的あるいは非生物的対象の撮像における本発明の応用例を示す概略図である。
生物的あるいは非生物的対象の撮像における本発明の応用例を示す概略図である。
生物的あるいは非生物的対象の撮像における本発明の応用例を示す概略図である。]
実施例

[0046] ここに図面を具体的に詳細に参照して、本発明の好ましい実施形態の例示的な説明のみを目的として特定の態様を示し、本発明の原理及び概念的な面の理解に非常に役立ち容易にすることを信じて提供することを付言しておく。この点に関して、本発明の基本的な理解に必要であること以上により詳細な本発明の構造的細部は示すものではないが、図面を参照して説明を読むことによって、当業者にはどのように本発明の幾つかの態様を実際に具体化するか明らかとなろう。ここでは、単数的に記載するエレメントやステップは、複数のエレメントやステップを排除するよう明示的に記載しない限り、複数のエレメントやステップからなることを排除しない。図の説明において、同じ数字は同じ部材を示す。概して、図面は尺度を合わせていない。明瞭化のため、本質的でないエレメントを図面の幾つかでは省略した。任意選択的なエレメントを破線で示している場合がある。
1.撮像方法及び装置の実施形態]
[0047] 図1に、本発明の好ましい実施形態に係る撮像装置100の主な構成部分を概略的に示す。撮像装置100は、以下に詳述するエネルギー入力装置10と、検知装置20と、画像処理装置30と、制御装置40と、遮蔽装置50と、担持装置60と、表示装置70を備える。] 図1
[0048] エネルギー入力装置10は、近接源装置11と発生装置12とを有する。近接源装置11は、調査されるROI2を有する撮像される対象1の近傍に、例えば対象の表面から約3cmの距離内に、配置される。近接源装置11の出射エレメントは、一つあるいは複数のアンテナエレメント、整相列、空洞共振器、導波管、又は周囲の媒体あるいは含有媒体に電磁エネルギーを出射可能な他のエレメントのうちの一つあるいは複数から構成できる。好ましい実施形態において、近接源装置11は、十分に広帯域特徴を有する必要があるが、供給された広帯域インパルスを効率的に送出できる。これは、最大量のインパルスエネルギーをかつ可能な限り均一に対象へ送達するためである。発生装置12(より詳細には図2を参照)は、近接源装置11に電気エネルギーを供給するよう構成される。発生装置は、直接あるいは適当な高電圧無線周波ケーブル及びコネクタを介して近接源装置11のエネルギー出射エレメントに接続される。] 図2
[0049] 検知装置20は、対象1に生じた機械的波動応答を検知するよう構成される。検知装置20は、例えば少なくとも1つの圧電検知エレメント21を有する音響検知器を備える。典型的には、音響検知器は、従来の熱音響撮像装置あるいは超音波撮像装置から知られているものと同様に構成される。したがって、断層撮影法への応用では、複数の圧電検知エレメント21を対象1に対して異なる位置に配置する。あるいは、一つの検知エレメント21を再構成に用いる場合、断層撮影法の走査手順の一部としてのステッピングモータ及び/又は回転台(図示せず)に検知エレメント21を配置できる。]
[0050] 画像処理装置30は、信号処理回路31と、記憶回路32と、画像再構成回路33と、を有する。制御装置40は、制御回路41と担持制御器42とを有する。制御回路41は、近接源装置10と、検知装置20と、担持装置60と、を制御するよう構成されている。したがって、制御回路41は、画像処理装置30の上記のコンポーネントと接続されている。画像処理装置30及び制御装置40は、別々の回路によって(図示したように)、あるいは共通の回路によっても実現できる。]
[0051] 担持装置60は、対象1を収容するよう、かつ近接源装置11及び検知装置20に対する対象1の位置及び/又は向きを調整するよう、構成される。この目的のために、担持装置60は、対象1を回転及び/又は並進移動させることが可能な駆動ドライブユニット(図示せず)を有する。担持装置60は、近接源装置11及び/又は検知装置を調整するよう構成されたさらなる台(図示せず)を備えることができる。特に二次元あるいは三次元の断層撮影法の再構成においては、撮像される対象1及び/又は検知エレメント21及び/又は近接源装置11の出射エレメントを回転及び/又は並進移動台に配置し、担持制御器42によって制御することができる。]
[0052] 遮蔽装置50は、本発明の撮像装置100の任意選択的な機構を表わしている。例として、遮蔽装置50は、反射スクリーン51例えば銅で形成されたグリッドを備える。あるいは、遮蔽装置50は、近接源装置10と対象1と検知装置20とを被覆する空洞共振器を備えることができる。]
[0053] 例示的な図として、図1は、表示画面71である表示装置70を示す。代替的にあるいは追加的に、プリンタあるいは他の画像形成装置を表示装置として配置できる。] 図1
[0054] 本発明の方法の好ましい実施形態では、発生装置12は、1n秒あるいは数n秒のオーダーの継続時間の広帯域インパルスを出射するよう構成される。結果として生じる対象の機械的応答は、検知装置20の一つの検出エレメント21あるいは複数の検出エレメント21によって記録され、信号処理回路31によって増幅され、デジタル化されて処理されて、記憶回路32に記憶される。特に、超音波検知エレメント21によって検知された信号は、デジタル捕捉ハードウェアを用いて、増幅されデジタル化される。記憶されたデータは、再構成アルゴリズムを実行する画像再構成回路32によってさらに処理される。結果として生じる画像は、表示画面71上に表示される。あるいは、ビーム形成ハードウェアあるいはソフトウェアアルゴリズムを用いるリアルタイム再構成プロセスが、検知器エレメント21から得られたデータに直接適用される。システムのメインエレメントは、例えばPCから構成される制御装置40を介して制御される。]
[0055] 近接源装置11、対象1及び検知装置20を、水あるいは整合流体で満たされた遮蔽容器内に封入できる(図3を参照)。また、強力な電磁気の外乱がその構成の外側に伝播するのを防止する。代わりに、非接触手法を、撮像される領域の近傍の閉ざされていない空気に配置された出射エレメント(アンテナ)と、整相列と、を用いて、信号検出に用いるビーム形成アルゴリズムによって、適用できる。本実施形態において、整合流体は必要ではなく、また、超音波撮像において通常行われるように、画像を遅延和(delay-and-sum)あるいは他のビーム形成アルゴリズムを用いてリアルタイムに得ることができる。] 図3
[0056] 一般に、空気で動作する放射アンテナの最適な寸法は、出射される周波数成分の波長が長いために、水に対する最適な寸法より十分大きくなることを付言しておく。
2. 発生装置]
[0057] 図2に概略的に示す発生装置12のパルス化回路は、約1ワットの平均出力パワーを生成するのに十分な数十キロボルトのピーク電圧の、約100Hzの繰り返し周波数の超短(1n秒あるいは数n秒FWHM)継続時間広帯域インパルスを生成するよう設計されている。パルス化回路は、パルス化用途において一般に用いられる高価な水素サイラトロンの代わりに、比較的安価なトリガースパークギャップ12.1を用いるように設計されている。] 図2
[0058] メインパルス化回路は、トリガーパルス発生器12.2を有するトリガースパークギャップ12.1と、調整可能負高電圧電源12.3と、充電抵抗器12.4と、高圧コンデンサ12.5と、立ち上がり時間制限インダクタンス12.6と、バックターミネーション抵抗器12.7と、任意選択的な直列抵抗12.8と、送出線逓増(step-up)変圧器12.9と、から構成される。]
[0059] 電源電圧はフロントパネル制御で調整可能である。電圧はフロントパネルデジタルメータによってモニタされる。負荷が接地されている直流経路を有する場合、コンデンサが充電抵抗器12.4及びバックターミネーション抵抗器12.7及び負荷抵抗を通じて充電される。トリガーパルスがトリガー入力で受信されると、コンデンサ12.5を出力回路へダンプするスパークギャップ12.1が作動する。コンデンサ12.5は、特別に構成された低インダクタンス高圧コンデンサである。パルス幅はキャパシタンス12.5及び負荷抵抗器の並列組み合わせ及び出力同軸特性インピーダンスによって決定される。その値は、高圧コンデンサ12.5を増減することによって変更できる。バックターミネーション抵抗器12.7は負荷からの反射を吸収し、所望の振幅の単一パルスのみが負荷インピーダンスから独立して負荷に送達されることと保証する。トリガースパークギャップ12.1の期待される持続時間は、1発射当たりの電荷が低くかつ平均電流が低いので、何百万ものパルスから構成できる。
3. 画像形成]
[0060] 概して、本発明で得られた画像データに基づく画像再構成には、熱音響学で既知のアルゴリズムや手順を適用できる。画像再構成がニアフィールド領域の構造についての情報を必要とする場合、後者は、分析的に、反復的にあるいは数値的に演算可能あるいは模型サンプルを用いて測定可能である。]
[0061] 広帯域音響放射は、物体内における無線周波エネルギーの短いパルスの吸収によって生じる瞬間的な温度上昇に続いて、組織において生じる。誘導された音響波の大きさは、対象1の局所的なエネルギー密度、電気伝導度及び熱弾性特性に比例する。誘導された音響波のスペクトルは、エネルギー吸収変化の空間周波数及び出射パルスの継続時間に主に依存する。n秒範囲のパルス継続時間に対して、生物学的に関連する熱音響スペクトルは、撮像された対象1の大きさに応じて、数十kHzから数十MHzの間に含まれている有益情報を有する超広帯域特性になるであろう。検知された応答の正確な形状を保存することは、結果として生じる画像の正確な定量化のためには重要である。効果的にそのような広帯域検知を実現するのが難しいかもしれないので、初期の組織応答を復元する好ましい方法では、検知器の周波数応答から記録されたものを解析する。あるいは、光学的共振エレメント例えばファブリ−ペロー・フィルム、リング共振器、エタロン(ethalons)における機械的振動の検知に基づいた光学干渉法アプローチ等、超広帯域検知アプローチを用いることもできる。]
[0062] 概して、熱閉じ込め条件では、つまり、電磁エネルギーパルスが十分に短く熱拡散がそのパルスにわたって無視できる場合、熱音響的に誘導された圧力
[数1]

と吸収エネルギー密度

[数2]
と局所的温度上昇
[数3]

との間の時空的な依存性を次のように表現できる。]
[0063] [数4]

vs、ρm、β及びCは、媒体の対応音速、質量密度、等圧体膨張及び比熱であり、すべては一般に空間的に周波数依存している。]
[0064] 実際的に、熱的閉じ込め条件は、1μ秒未満の励起パルス継続時間では満たされる。点(point)超音波検知器が位置
[数5]

に配置される場合、(1)の解である積分圧力波を検知する。(1)の解とは、すなわち、]
[0065] [数6]]
[0066] 本提案の近接撮像方法の目標は、例えば1セットの測定された超音波圧力
[数7]

から三次元エネルギー吸収分布を再構成することにある。単純な形において、これは、検知された信号を仮想的撮像立体へと背面映写する(backprojecting)ことによって、あるいは種々のラドン(Radon)変換によって行うことができる。ただ、具体的な反転手法は、用いられる検知エレメントの特定の幾何学的・物理的特性及び空間的分布に応じて、それぞれの場合で異なる。例えば、整相列の検知器が用いられた場合、単純な超音波ビーム形成アルゴリズムを用いることによって画像をリアルタイムに形成できる。]
[0067] 方程式(2)の反転の基本的結果は、組織における局所的な近接パワー吸収を表示する画像の形で表すことができる。近接吸収剤を対象の特定の標的部位へ導入することによって、その部位における局所的パワー吸収を増加させ、その結果、表された画像において解剖学的、機能的、分子的コントラスト及び可視化能力を高めることができる。
4. 応用]
[0068] 本発明の方法には多数の応用がある。バイオ医学分野のみには限定されないが、バイオ医学における撮像への本技術の応用は重要な方向性である
4.1 バイオ医学撮像]
[0069] 図3は、ネズミあるいは他のげっ歯類動等、小動物のバイオ医学撮像における本発明の技術の好ましい応用を示す。撮像装置100のコンポーネントを位置決めするよう構成されたタンク81と保持エレメント82とを備える容器装置80が配置される。タンク81には、整合流体例えば水やオイルが入っている。調査される対象(生きているネズミ1)は、吊り下げ部61と担持部62とを有する担持装置を用いて、タンク81内に位置決めされる。吊り下げ部61は、対象の第1部分(例えばネズミの脚)を受けるよう構成されている。吊り下げ部61は、近接源装置10と検知装置20とに対して回転可能である(両矢印を参照)。担持部62は、対象の、第2の、反対側の部分を受けるよう構成された回転可能なプラットホームを有している。] 図3
[0070] 近接源装置11は、二つのロッド状アンテナエレメント13(モノポールエレメント)を備える。アンテナエレメント13は、吊り下げ部61と担持部62との間で縦方向距離に沿って、担持装置に対して並行に配置される。検知装置20は、アレイ状の音響検知器21を備える。検知装置20は、近接源装置10及びネズミ1に隣接して配置される。有用なことに、検知装置20の位置に関して特に制限はない。上記の画像再構成の実行のために必要なことは、対象(ネズミ1)に対する検知器エレメント21の位置についての情報だけである。]
[0071] 近接源装置11、特にアンテナエレメント13と検知装置20とは、コンポーネント30、40、70と接続される(図1)。これらのコンポーネントは容器装置80の外部に配置される。] 図1
[0072] 本発明の他の実施形態では、担持装置は固定された吊り下げ部及び担持体部を有し、複数のアンテナエレメント及び/又は検知エレメントを対象のすべての側部に周方向に配置でき、かつ/又はアンテナエレメント及び/又は検知エレメントを対象のまわりに回転可能とできる。]
[0073] タンク81は、整合流体83を入れることと、アンテナエレメント13から出射されたファーフィールド放射の環境を遮蔽することと、の二つの機能を果たす。この目的のために、タンク81は反射材例えば金属から構成される、あるいは反射材例えば金属でコートされる。さらに、反射材81は接地される。]
[0074] 図3に概略的に示した実施形態は、小動物の調査に限定されない。代替的に、他の生体対象例えば人間、より大きな動物、あるいはその一部を撮像できる。例として、タンク81を、ネズミ1の代わりに人間の患者の一部を受けるよう構成できる。
4.2臨床撮像] 図3
[0075] 好ましい臨床応用領域には、幾つかの例を挙げれば、心血管疾患、癌、炎症及び神経組織変成疾病の撮像が含まれる。成長及び老化等、正常な状態の撮像も考えられる。特段の利点として、本発明の近接撮像を、近接源装置と調査される対象との間の整合流体を用いずに行うことができ、この場合、基本的に臨床応用を容易できる。]
[0076] 図4は、本発明を人間あるいは人間の一部分例えば器官を撮像するよう用いる概略的に実施形態を示す。例えば単一ロッド状アンテナエレメントを備える近接源装置11は、人間の患者1の身体の外部に配置される。アンテナエレメントと人間の患者1の外面との間の距離は、対象領域の大きさと、発生機によって出射されたスペクトルと、に大きく依存し、多くの応用において5mmから50cmの範囲で選択できる。アレイ状の検知器エレメント21を備える検知装置22は、人間の患者1の外面上に同様に配置される 音響検知の改善のために、整合するゲルを、人間の患者1の外皮と検知装置20との間に塗布できる。近接源装置11と検知装置20の両方は、コンポーネント30、40、70と接続される(図1)。] 図1 図4
[0077] 好ましい実施形態において、作用剤を、患者1、ターゲット領域又は関心領域へと、静脈内に又は局所的に注入する。また近接出射源(アンテナエレメント13)を組織の近傍に置いて、近接エネルギーを組織と最適に結合させる。次に、音響検知器あるいはアレイ状の音響検知器21等の機械的波動検知装置20は、組織内に生じる音響波を検知する。これにより収集したデータが処理され、二次元あるいは三次元画像の形でモニタに表示される。理想的には、撮像された立体の断面及びそこに含まれる特定のバイオマーカーを、本装置がリアルタイム(30フレーム/秒以上)に可視化できる。]
[0078] 応用例には、大食細胞によって選択的に取り込まれる酸化鉄ベースのナノ粒子(大きさが例えば10〜100nmのオーダー)の投与を含む。酸化鉄ベースのナノ粒子の吸収による画像は、アテローム斑の画像の場合のように、頚動脈あるいは他の血管において強い炎症の領域を示す。同様に、ターゲットとする吸収粒子はペプチド等、ターゲットとする分子、受容体等についての情報を示すことができる。]
[0079] 他の応用例には、同様に体内に吸収粒子を投与し、その吸収粒子の相対的最新情報をある期間にわたって観察する、又は対象とすることによって、薬、放射、化学療法による治療効果を撮像すること等が挙げられる。]
[0080] 他の実施形態においては、同様の検知を、持ち運びできる機器によって、又は体腔内に挿入される内視鏡装置によって、あるいは手術によって、内視鏡装置を組織に挿入する侵襲法で行える。
4.3 他の応用]
[0081] さらに非生物学的サンプルを調査する例を、図5に概略的に示す。撮像装置100は、支持棒の自由端に近接源装置11と検知装置20とを有し、反対側端部にコンポーネント30、40、70が配置されている手持ち型、持ち運び可能な装置として提供される。コンポーネント30、40、70は、取っ手を有する箱に収容できる。対象1は、例えば食べ物、又は調査対象のコンポーネント(ROI2)が入っている容器で構成される。これにより土壌その他の地質構造のような、他の非生物学的なサンプルを、アナログ方式で調査できる。] 図5
[0082] 以上、本発明の複数の特徴を判り易くするために、別々の実施形態において説明したが、一つの実施形態においてそれら特徴を組み合わせて提供できることを付言しておく。逆に、本発明の種々の特徴を簡潔にするために一の実施形態の説明において説明したが、それら特徴を別々に提供したり、あるいは適当な下位の特徴を組み合わせても提供できる。]
[0083] 本発明を具体的な実施形態と共に説明したが、当業者が多くの代替案、変形や変更を理解できることは明らかであろう。したがって、添付の特許請求の範囲の精神及び範囲内にあるこのような代替案、変形や変更のすべてを包含することを意図している。本明細書において引用したすべての刊行物、特許公報及び特許出願を参照によって、それぞれの刊行物、特許公報及び特許出願が参照によって具体的にかつ個別にここに援用するよう表示したのと同程度に、その全体を援用する。なお、本願における参照の引用あるいは同定は、その参照が本願の先行技術であることの自認をなすものではない。]
[0084] 1…対象
2…対象領域(ROI)
10…エネルギー入力装置
11…近接源装置
12…発生装置
12.1…トリガースパークギャップ
12.2…トリガーパルス発生器
12.3…調整可能負高電圧電源
12.4…充電抵抗器
12.5…高圧コンデンサ
12.6…立ち上がり時間制限インダクタンス
12.7…バックターミネーション抵抗器
12.8…直列抵抗
12.9…送出線逓増変圧器
13…ロッド状アンテナエレメント
20…検知装置
21…圧電検知エレメント
30…画像処理装置
31…信号処理回路
32…記憶回路
33…画像再構成回路
40…制御装置
41…制御回路
42…担持制御器
50…遮蔽装置
60…担持装置
61…吊り下げ部
62…担持部
70…表示装置
71…表示画面
80…容器装置
81…タンク
82…保持エレメント
83…整合流体
100…撮像装置]
权利要求:

請求項1
対象領域の近接撮像方法であって、近接源装置から対象領域へ近接電磁無線周波エネルギーの入力を出射するステップと、検知装置を用いて前記近接電磁エネルギー入力に応じて対象領域において生じる機械的波動応答を検知するステップと、機械的波動応答に基づいて対象領域の画像を表示する画像データを生成するステップと、を含むことを特徴とする方法。
請求項2
請求項1に記載の方法であって、ニアフィールド領域において吸収される電磁エネルギーの波長をλとするとき、対象領域が、近接源装置からλより小さい距離にある該近接源装置のニアフィールド領域内に配置されてなることを特徴とする方法。
請求項3
請求項1に記載の方法であって、前記近接電磁エネルギーは、パルス変調信号として出射されることを特徴とする方法。
請求項4
請求項3の方法であって、前記パルス変調信号の振幅変調、周波数変調、位相変調又はデジタル変調の少なくとも一を行なうステップを含むことを特徴とする方法。
請求項5
請求項1に記載の方法であって、前記近接エネルギーは変調強度信号として出射されることを特徴とする方法。
請求項6
請求項5に記載の方法であって、前記強度変調信号の振幅変調、周波数変調、位相変調又はデジタル変調の少なくとも一を行なうステップを含むことを特徴とする方法。
請求項7
請求項1に記載の方法であって、ファーフィールド放射の周囲領域への出射を防止するステップを含むことを特徴とする方法。
請求項8
請求項1に記載の方法であって、前記機械的波動応答は、音響応答、音圧応答、剪断波応答、衝撃波応答、干渉応答又は熱波応答の少なくとも一を含むことを特徴とする方法。
請求項9
請求項1に記載の方法であって、前記機械的波動応答は、音響検知器又は光学あるいは干渉法検知器を含む検知装置によって検知されることを特徴とする方法。
請求項10
請求項9に記載の方法であって、検知装置は少なくとも一の検知エレメント又はアレイ状に配置された複数の検知エレメントを備えることを特徴とする方法。
請求項11
請求項1に記載の方法であって、ニアフィールド領域の構造の情報を利用することを含む、画像データから対象領域の画像を再構成するステップを備えており、前記画像は、対象領域の一次元(深さプロファイリング)特性、二次元(表面又は断面)特性及び三次元(立体的)特性の少なくとも一を描写することを特徴とする方法。
請求項12
請求項11に記載の方法であって、対象領域の前記画像を表示するステップを含むことを特徴とする方法。
請求項13
請求項1に記載の方法であって、データ取得の前に又はデータ取得の際に、対象、近接源装置及び検知装置の少なくとも一の互いに対する相対位置又は向きを調整するステップを含むことを特徴とする方法。
請求項14
請求項13に記載の方法であって、前記調整するステップは、対象、近接源装置及び検知装置の少なくとも一の回転及び並進移動の少なくとも一を行うステップを含んでいることを特徴とする方法。
請求項15
請求項1に記載の方法であって、対象領域は生体組織を備える、又は含む、又は対象領域は、生物学的植物あるいはその一部分、ワークピース、消費財あるいは地質構造を備えることを特徴とする方法。
請求項16
請求項1に記載の方法であって、対象領域は、近接電磁エネルギー吸収物質を含むことを特徴とする方法。
請求項17
請求項16に記載の方法であって、前記近接吸収物質は、無線周波帯において電磁気を吸収する材料であることを特徴とする方法。
請求項18
請求項17に記載の方法であって、前記近接吸収物質は、常磁性、超常磁性、強磁性、導電性、あるいは半導電性を呈する材料であることを特徴とする方法。
請求項19
請求項16に記載の方法であって、前記近接吸収物質は、タンパク質、受容体、酵素、生理的構造、細胞構造及び細胞以下の構造の少なくとも一と特に結合可能であることを特徴とする方法。
請求項20
請求項16に記載の方法であって、前記近接吸収物質は、生理的活動、細胞活動及び細胞以下の活動の少なくとも一に特に応答可能であることを特徴とする方法。
請求項21
請求項16に記載の方法であって、前記物質は、組織全体的に投与されることを特徴とする方法。
請求項22
請求項1に記載の方法であって、病的な組織、疾病あるいは動物あるいは人間における異常状態を撮像するステップ、生体組織における炎症過程を検知するステップ、生体組織における腫瘍あるいは癌を検知するステップ、生体組織における頚動脈異常を検知するステップ、生体組織の治療を観察するステップ、及び分子撮像を行なうステップの少なくとも一を含むことを特徴とする方法。
請求項23
撮像対象の対象領域を近接撮像するよう構成された撮像装置であって、対象領域へ近接電磁無線周波エネルギーの入力を出射するよう配置された近接源装置と、前記近接電磁エネルギー入力に応じて対象領域において生じる機械的波動応答を検知するよう配置された検知装置と、機械的波動応答に基づいて対象領域の画像を表示する画像データを生成するよう配置された画像処理装置と、を備えることを特徴とする撮像装置。
請求項24
請求項23に記載の撮像装置であって、前記近接源装置は、前記近接電磁エネルギーの入力を与えるパルス変調無線周波信号あるいは変調強度信号を生成するよう構成された発生源装置と接続されてなることを特徴とする撮像装置。
請求項25
請求項23に記載の撮像装置であって、前記発生機源装置は、10p秒から10μ秒の半値全幅継続時間の電磁インパルス、又は1n秒から100μ秒の継続時間の電磁バースト(パルス)を生成するよう構成されてなることを特徴とする撮像装置。
請求項26
請求項25に記載の撮像装置であって、前記発生機源装置は、トリガースパークギャップ、アバランシェダイオード、イオン化ダイオード、例えばクライストロンといった真空管、例えばサイラトロン又はマグネトロンといったガス封止管の少なくとも一を有することを特徴とする撮像装置。
請求項27
請求項23に記載の撮像装置であって、ファーフィールド放射が対象の周囲領域へ出射することを防止する遮蔽装置を備えることを特徴とする撮像装置。
請求項28
請求項27に記載の撮像装置であって、前記遮蔽装置は、反射面又は空胴共振器を備えることを特徴とする撮像装置。
請求項29
請求項23に記載の撮像装置であって、前記近接源装置及び前記検知装置に対する位置決め関係に対象を収容するよう構成された担持装置を備えることを特徴とする撮像装置。
請求項30
請求項23に記載の撮像装置であって、前記担持装置及び前記近接源装置の少なくとも一方は、対象を前記近接源装置のニアフィールド領域内にその近接源装置からλより小さい距離で配置するよう構成されており、λはニアフィールド領域において吸収される電磁エネルギーの波長であることを特徴とする撮像装置。
請求項31
請求項23に記載の撮像装置であって、前記担持装置及び前記近接源装置の少なくとも一方は、対象を前記近接源装置のニアフィールド領域内にその近接源装置から2D2/λより小さい距離で配置するよう構成されており、λはニアフィールド領域において吸収される電磁エネルギーの波長であり、Dは近接源装置の全体寸法(最大寸法)であることを特徴とする撮像装置。
請求項32
請求項23に記載の撮像装置であって、前記担持装置及び前記近接源装置の少なくとも一方は、対象を前記近接源装置のニアフィールド領域内に配置するよう構成されており、また、該ニアフィールド領域は前記近接源装置の非放射領域であることを特徴とする撮像装置。
請求項33
請求項23に記載の撮像装置であって、前記近接源装置はファーフィールド放射を生成するよう構成されており、前記担持装置及び前記近接源装置の少なくとも一方は、対象を前記近接源装置のニアフィールド領域内に配置するよう構成されてなることを特徴とする撮像装置。
請求項34
請求項23に記載の撮像装置であって、前記検知装置は、音響応答、音圧応答、剪断応答、衝撃応答、干渉応答又は熱波応答の少なくとも一を検知するよう構成されてなることを特徴とする撮像装置。
請求項35
請求項34に記載の撮像装置であって、前記検知装置は、音響検知器又は光学あるいは干渉法検知器を有していることを特徴とする撮像装置。
請求項36
請求項35に記載の撮像装置であって、前記検知装置は少なくとも一の検知エレメント又はアレイ状に配置された複数の検知エレメントを備えることを特徴とする撮像装置。
請求項37
請求項23に記載の撮像装置であって、前記画像処理装置は、対象領域の一次元(深さプロファイリング)特性、二次元(表面又は断面)特性及び三次元(立体的)特性の少なくとも一を描写する画像を再構成するよう構成されてなることを特徴とする撮像装置。
請求項38
請求項23に記載の撮像装置であって、前記近接源装置及び前記検知装置は、設置型、持ち運び型又は手持ち型システムを構成してなることを特徴とする撮像装置。
請求項39
請求項23に記載の撮像装置であって、前記近接源装置及び/又は前記検知装置は非侵襲的に用いられることを特徴とする撮像装置。
請求項40
請求項23に記載の撮像装置であって、前記近接源装置及び/又は前記検知装置は、非侵襲的に、例えば隙間に入れるように、又は静脈内に入れるように、あるいは例えば、鼻、食道、肺といった体腔内において用いられることを特徴とする撮像装置。
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引用文献:
公开号 | 申请日 | 公开日 | 申请人 | 专利标题
法律状态:
优先权:
申请号 | 申请日 | 专利标题
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